秀英体111 秀英体ってどんな形?
文字について、文字の形について、あらためて考えてみたことはありますか?
毎日朝起きてから寝るまで、もしかしたら夢の中でも、見続けている文字。時計の数字、スマホでチェックするSNSやニュース、歯磨き粉のパッケージに入った商品名、駅名や時刻表、ランチで入ったお店の看板......本や雑誌といった読むことが目的なものはもちろんのこと、情報を伝えるもの、コミュニケーションのためのものと、私たちの生活は文字で溢れています。
ほとんどの人が無意識に眺めている文字にもいろいろな顔があります。それが書体です。大日本印刷は前身である秀英舎の時代から100年以上にわたって、オリジナル書体「秀英体」の開発を続けています。もともと活字書体として生まれた秀英体、活字の大きさや時代のニーズに合わせた豊富なバリエーションが特徴で、全活字書体が完成してから来年で111年を数えます。
気骨ある迫力の初号、流麗で繊細な三号、現在の秀英明朝の原型となった明るく落ち着いた四号、などと表されていますが、実際、秀英体と数多あるほかの書体とは何が違うのでしょう。秀英体の魅力とは何なのでしょう。本展では数あるバリエーションの中から、秀英体を代表する本文用の「秀英明朝」と見出し用の「初号明朝」の形に注目します。
この展覧会を順を追って見ていけば、最後には秀英体なら見分けられるようになるかもしれません。見分けられなくてもきっと、帰り道には電車の中吊りやお店の棚に並ぶ文字が気になってしかたがなくなるはずです。
企画:市谷の杜 本と活字館
告知物・展示デザイン:大日本タイポ組合
秀英体111展 関連企画
- 本展では、1階喫茶にてコラボメニューをご提供しております。会期中、秋冬限定の「秀英初号明朝(抹茶ラテ)」「秀英明朝L(カプチーノ)」「黒蜜きなこラテ」ご注文のお客様には、秀英体カードを差し上げております(絵柄は選べません。なくなり次第終了いたします。)。
- 2階購買では、本展でもご紹介している「秀英初号明朝」の活字見本帳を復刻し販売しております(1650円/税込)。昭和4年に発行された活字見本帳で、秀英初号明朝の漢字・約物・ひらがな・カタカナがすべて収録されております。大日本印刷で保有している実物を、新たに撮影しました。