イベント詳細
このイベントは終了しました
2024
05/03(金)
14:00-15:30
セミナー
活字の種を作った人々セミナー②木戸雄一「100年くらい前の本づくり」
開催済
市谷の杜 本と活字館では、5/3(金祝)に、企画展「活字の種を作った人々」関連イベントとして、木戸雄一さんに種字彫刻師たちが活躍した明治期の洋装本の普及の過程をお話いただきます。
イベント内容
イベント名:活字の種を作った人々セミナー②木戸雄一「100年くらい前の本づくり」
開催日:2024年5月3日(金)
開催時間:14:00-15:30
参加費:
500円
定員:15名
市谷の杜 本と活字館では、企画展「活字の種を作った人々」関連イベントとして、展示の背景をより理解できるセミナーを開催いたします。
5/3(金祝)は、木戸雄一さんに種字彫刻師たちが活躍した明治期の製本についてお話いただきます。
種字彫刻と製本、何の関係があるの? と思われるかもしれません。しかし、印刷も製本も、本を作り上げるための技術です。明治期の新しい言論・技術・文化は、種字彫刻師たちが生み出した活字によって印刷され、洋装本の姿で人々のもとに届けられました。
明治初期、近代化をめざす日本に、海外から新しい知識や技術が大量に流入しました。印刷・製本もそのひとつでした。本の姿は、和紙を折って綴じた「和本」から、洋紙を糸でかがり厚く固い表紙でくるんだ「洋装本」へと大きく変化しました。しかしながら、当時の日本には西洋式の本をつくることのできる製本職人はわずかで、明治6(1873)年にようやく明治政府のお雇い外国人パターソンによって、製本の本格的な指導が始まりました。
およそ明治いっぱいをかけて、本の姿は和本から洋装本へと変化していきます。その過程では、和本の技術でつくられた「なんちゃって洋装本」や、米国の教科書やパンフレットで使われていた簡易製本による文芸書など、当時の製本職人が自分たちの技術と手に入る材料で試行錯誤した様子がわかる本もあります。
木戸さんには、当館で2022年03月10日(木)~07月10日(日)に開催した企画展「100年くらい前の本づくり」を監修いただきました。活版印刷と洋装本、そのどちらもより詳しく知ることで、本展をより一層楽しめること間違いなしです。
ぜひお付き合いください!
市谷の杜 本と活字館 YouTubeチャンネルでライブ配信いたします。
配信URL:https://www.youtube.com/live/DWBdcDc5wAo
出演:木戸雄一(大妻女子大学 文学部教授)
集合場所
2階制作室 ※10分前までにはご来館ください
ご留意点
- ご予約は先着順です。
- 終了時間はイベント状況に応じて延長の可能性があります(最大16:00まで)。
- 本イベントにお申込みのお客様には、1階喫茶で1ドリンクサービスがございます(当日限り)。トークイベントの前後に、ぜひお召し上がりください。
- 本イベントでは、イベント内容の撮影を行う予定です。これらの撮影物(写真・動画等)は、 当館ウェブサイトやSNS、各種印刷物等に使用・掲載させていただくことがございます。撮影にご理解頂いた上で、ご参加をお願い致します。
- 天候などの状況によっては、イベントの開催を中止させていただく場合があります。
出演者プロフィール
木戸雄一(きど ゆういち)
大妻女子大学文学部教授。日本近代文学、出版史、書誌学。洋装本の移入から定着までの間の技術的な実態と、書物文化の関係について研究している。市谷の杜 本と活字館の展示「100年くらい前の本づくり」の監修をつとめ、『書物学』24号(2023年)でその誌上紹介にかかわった。現在、noteで「書物の転形期:和本から洋装本へ」(https://note.com/kidoyou/m/m69c97d17cfc8)を連載中。
書物学 第24巻 100年くらい前の本づくり
定価2,200円(本体 2,000円+税)、B5判、120ページ
ISBN 978-4-585-30723-5
維新からわずか半世紀の間に、本の形は目まぐるしく変化した―
幕末明治期、米欧からもたらされた諸種の技術や制度は、書物の世界にも大きな影響を与え、和装本から洋装本への転換が進んでいった。
しかし、その道程が一筋縄で行くものでなかったことは、いまに残された書物の驚くべき多彩な製本形態からも伺うことができる。
近代初期洋装本の解体調査・書誌調査から見えてくる製本の裏側、和装から洋装へと移行する過渡期の書物のあり様を具に検討することにより、日本における洋装本定着の端緒を明らかにする。
※2022年3月10日(木)~2022年7月10日(日)に市谷の杜 本と活字館にて開催され、コアな書物ファンに大好評を博した「100年くらい前の本づくり」展を誌上再現!