イベント詳細
このイベントは終了しました
2023
08/05(土)
13:00-17:00
ワークショップ
4ヵ月で学ぶ「活版印刷で本づくり」(A日程:印刷②)
開催済
文選・植字・印刷・製本までの本づくりのすべての工程をご自分で作ってみましょう! ※すでに定員に達しておりますので、ご予約いただけません。
イベント内容
イベント名:4ヵ月で学ぶ「活版印刷で本づくり」(A日程:印刷②)
開催日:2023年8月5日(土)
開催時間:13:00-17:00
参加費:
20,000円
定員:2名
※本告知は、参加される方へのリマインドとなります。
※本イベントはすでに定員に達しておりますので、ご予約いただけません。
ワークショップ概要
当館1階では、活版印刷での本づくりの工程をご紹介しています。それをもし、自分の手でやってみるとしたら……?
当館の保有する書籍印刷のための活字たちを使って、文選・植字・校正・印刷・製本のすべての作業を自分で行い、実際に本をつくってみましょう!
この工程をすべてご自身で行っていただくのは本当に大変です! 大変ですが、時間をかけて体験することで、どんなふうに本がつくられてきたかを理論だけでなく体で学んでいただけます。
すべて手作業のため、校正したのにうっかり活字を間違えて印刷してしまったり、紙面に汚れがついてしまったり、折りがきっちりそろわなかったり、いろいろなトラブルもありえます。ただし、失敗すればするほど、本づくりへの理解が深まります。書店に並ぶきれいな本をつくることが、どれほど難しく、高い技術に支えられているかを感じていただけるとうれしいです。
当館が建っている場所はもともと大日本印刷の市谷工場で、明治19年に工場ができて以来、一世紀以上にわたり本づくりを行ってきました。この場所で、1本ずつ活字を拾い、文字を組み、印刷・製本をして本が生まれ、日本中の書店に並んでいたのです。そんな工場の様子に思いをはせながら、ご自分だけの一冊をつくっていきましょう。
ワークショップの流れ(A日程)
本イベントは4ヵ月連続のワークショップです。以下の日程表をご確認の上、全10回のすべてに参加できる方のみお申込みください。
なお、文選①②③および印刷①②は、作業場所の都合上、2名ずつに分かれてのご参加となります。このページは、土曜日の参加が中心の「A日程」の参加申し込みページとなります。
2023/5/14(日)~8/26(土)の間で合計40時間(各回4時間×10回)、時間はすべて13:00~17:00となります。
開催日(A日程) | 工程 | 作業内容 | |
---|---|---|---|
1 | 5/14(日) | 活版印刷概論 文選及び植字の説明 |
活版印刷での本づくりについて概要を説明します。 |
2 | 5/20(土) | 文選① | 活字棚から原稿に合わせて活字を拾います。 約4,000字あるため、3回にわけて実施します。 |
3 | 6/3(土) | 文選② | 同上 |
4 | 6/17(土) | 文選③ | 同上 |
7/1(土) | 文選予備日 | 3回で文選が終わらなかった場合の予備日です。 | |
5 | 7/8(土) | 植字 | 指定に合わせてページに組んでいく作業です。 全部で24ページあります(扉1ページ、挿絵1ページ、奥付1ページ) |
6 | 7/16(日) | 校正~差し替え① | 植字した版を校正機で印刷し、原稿と比較して赤字を入れます。 赤字に従ってピンセットで版を修正し、再度校正刷りをして確認します。 ※活版印刷ではこの工程を3~5回繰り返します。 |
7 | 7/22(土) | 校正~差し替え② | 同上 |
8 | 7/29(土) | 印刷の説明 印刷①(表面) |
印刷機に版を組付けて印刷します。位置合わせ、インキの濃度などの調整を行います。 |
9 | 8/5(土) | 印刷②(裏面) | 表面の乾燥後、裏面を印刷します。 |
10 | 8/26(土) | 製本 完成 |
折り、見返し貼り、かがり、仮固め、表紙くるみの一連の工程をすべて手作業で行います。 |
対象年齢
中学生以上
※安全に作業いただくため小学生以下のご参加はご遠慮ください。
集合場所
2階制作室 ※開始10分前にはご来館ください。
題材、本の仕様
- 宮沢賢治『やまなし』
- 24ページ
- 中本寸法 A6縦(105mmx148 mm)
- 上製本(ハードカバー、紙くるみ、手かがり中綴じ、チリ3mm)
- 見返し、かがり糸の色は選べます
- 本文用紙 b7バルキー90.5K/46
- 活字 秀英体10ポイント明朝(本文)、8行×26字詰め、ベタ組
ご留意点
- ご予約は先着順です。
- 最終的に本が完成しない場合がございますので、すべての日程に参加が可能な方のみお申込みください。
- 初回参加時に参加費の全額をお支払いただきます。
- 作業の進み具合によって、終了時間が前後いたします。
- 長時間にわたり、立ったまま作業を行います。動きやすい服装でご参加ください。
- 印刷用のインキを使用します。汚れてもいい服装でご参加ください。
- 活字棚のあるエリアは大変狭くなっており、車いすなどは入ることができません。あらかじめご了承ください。
- 機械の操作がございます。安全にご体験いただくため、スタッフの指示に従っていただくようお願いいたします。
- 館内で食事の販売はございませんので、あらかじめ昼食をとったうえでご参加ください(館周辺にはコンビニエンスストアやスーパーはございません)。
- 本イベントでは、イベント内容の撮影を行う予定です。これらの撮影物(写真・動画等)は、 当館ウェブサイトやSNS、各種印刷物等に使用・掲載させていただくことがございます。撮影にご理解頂いた上で、ご参加をお願い致します。
- 天候や諸般の事情により、ワークショップの開催を中止する場合がございます。
ワークショップの様子
※写真はスタッフによる試作の様子です。実際のワークショップとは異る場合がございます。
▲作業のスタートは文選! 3回に分けて、がんばって拾っていきましょう。当館の文選植字担当もお手伝いします。
▲活字を拾ったら次は植字。ステッキを手に持って、数行ずつ組んでいきます。
▲全ページ組みあがったら、校正刷りを校正機で印刷します。こちらもご自分で操作いただきます。
▲校正刷りに赤字を入れていきます。活字の向きが転んでいたり、似ている字を拾っていたり……。活版印刷では少なくとも三校、もっと多くの校正をします。
▲赤字を入れたところを修正していきます。差し替えは、ピンセットを使って慎重に行います。
▲組版の修正が完了したら、いよいよ本番の印刷です!(機械の操作は危険も伴うため、一部、印刷担当が行う作業もあります。)
▲版盤に組版を置き、しっかりと機械に固定します。位置やインキ濃度のチェックを行ってから、いざ本番の印刷です。
▲インキが乾いたら、最後の工程、製本です! まずは全ページと見返しの紙を折りヘラをつかって、手で折ります。
▲折りの次はかがりです。本ワークショップでは、手作業で糸かがりをしていきます。紙に糸を通すなんて新鮮な作業ですね!
▲かがりが終わったら、中本(なかほん)の前後に見返しを貼ります。のど側にだけ細く糊を入れなくてはいけないので、刷毛を持つ手が緊張で震えます。
▲表紙をつくります。ハードカバーの本なので、硬いボール紙を製本用の紙でくるみます。薬指に竹指輪をはめて紙をしっかり折りましょう。
▲いよいよ最後の工程、表紙と中本の見返しを接着します! 本の形になる瞬間です!
▲ついに完成! 時間をかけたぶん、失敗したぶん、思い入れのある一冊になります。